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コロナが生んだ母子分離。生まれたばかりの子を抱きしめられなかった。

コロナが生んだ母子分離。生まれたばかりの子を抱きしめられなかった。

【コロナが生んだ母子分離】

生まれたばかりの子を抱きしめられなかったのは、なぜなのか。

なぜあんなにも隔離されなければいけなかったのか。

コロナ禍に千葉県松戸市で起きた

自宅出産したというニュースがあってから、

コロナ禍における妊婦さんの扱いが慎重になった。

家庭内感染から陽性が判明した

臨月の妊婦さんは、

【コロナ陽性者】となった瞬間

穏やかに待ち望んでいた出産が、

急に決まることになった。

当然、自然分娩で陣痛を待っていたが、

万が一がないようにと

判明後すぐに受け入れ病院の体制を整え、

帝王切開の予定が決まる。

すべてじぶんの意思とは裏腹に。

どんどん決まっていく。

予定日まであと何日だろう?

いつくるかな?

この子はいつ生まれるかな?と思う毎日に。

【〇〇日帝王切開で出します】と

唐突に提示された出産。

そんなにコロナが怖いだろうか。

そんなに隔離が必要なものだろうか。

さらに追い討ちは

赤ちゃんを取り上げたあと

陽性者のお母さんは抱っこができない。

無菌状態から取り上げられた赤ちゃんに

PCR検査が施される。

(無菌だよ?検査、いる?しかも、2回。)

【陰性】

赤ちゃんの陰性が確認されると

ますますお母さんとは一緒にいられない。

赤ちゃんはそのまま父親の送迎で

出生後の数日間を過ごすために

産院に引き取られた。

いろんな考えや見方があるし、

未来に起こることは約束できないけれど。

十月十日、大事に育て出産を待ち望んだ

お母さんにとって大切なことは、

その瞬間、その空間にしかない。

幸せに満ち溢れた感覚を

赤ちゃんと過ごすことではないか。

赤ちゃんのために出る母乳は?

スキンシップは?

ふにゃふにゃでいつまでも見ていられる

あの幸せな時間は?

これ以上に大事なことがあるのだろうか。

人間はなにをまもっているのだろうか。

せめて、

陽性者となった妊婦さんには

リスクを説明した上で

決定権を渡すべきだった。

選ぶ権利ももらえない状況で

わたしなら一生忘れないし、

一生疑問に思い続けるだろう。

あのときなぜ、

我が子を抱きしめられなかった?

なぜあんなにも隔離された?

だれが決めた?なんのために決めた?

生後数日間の我が子を見られなかった後悔を

どこにぶつければいいのだろうか、と。

過剰な感染対策のデータを割り出す前に

その時その場にいる

人の感覚や想いにもっと

目を向けられる社会を広げたいと思う。